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aBUTTON創刊 編集長コメント「少女の胸のうち、心の扉を垣間みるまで。」

2011/08/31
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“いよいよ辿り着いた”。いや、“なんとか辿り着けた”が正しいか。
『aBUTTON』の創刊についての素直な感想だ。

 

進軍する先の様子はよくわからないけど、進むべくポイントだけは明確にわかっていて、焦らずに、しかし極限まで急ぎ匍匐(ほふく)前進してきた結果、顔を上げれば待望の目的地に、なんとか辿り着くことができていた。創刊までの道のりは、きっとそんな状況に例えられる。

 

『IQUEEN』編集長の今村氏も、創刊時のコメントで同じような心境を語ったように、『aBUTTON』についてもそうだった。理由はたった一つ。“すべてが初めて”だったから。特に、デジタル版については、すでに世の中にないものを創り上げる作業を伴ったからだ。世界初仕様のデジタル版、マガジン版との並行制作、フォトジェニックとムービージェニックを融合させたクオリティの追求、そして、新進気鋭の女優だけを表現する世界。そのすべてが「初」だった。

 

その「初」の試みの期待にしっかり応えてくれたのは、橋本愛さんと高田里穂さん、岡野真也さんの3人の若手女優たち。上述した心境と同様に、アウトプットされるカタチを想像できない中で、一日中、写真と映像に向き合ってくれた。演出も「できるだけ彼女たちの素顔を切りとる」であるだけに、具体的なキャラクター設定やストーリーがあるわけではない。一方でメイキング映像用のスタッフも配置されていて、ほぼフルタイムでカメラが回る。「いったい、いつ、なにを撮られているのかわからなかった」(橋本愛さん)と話すように、完全密着を心がけて制作に臨んだことで、これまで見られなかったそれぞれの表情や仕草、美しさが、随所に表れるものを仕上げることができた。

 

『aBUTTON』とは、少女の胸のうち、心の扉を言い換えたもの。少女たちには、どんなに大切にしていても、必ず失ってしまう“瞬間”がある。それは、季節の移ろいのように刹那的でありながら、永遠の美しさを秘める、ほんの一瞬の溢れる光だ。若く躍動し、胸の結びをきつく守る少女が、自らを解放し、ほんの少しゆるめる瞬間。どんなに警戒していても、ふと見せてしまう心の隙。本誌は、少女がそんな心のボタンを外す瞬間を切りとる場所と位置づけている。

 

過度な情報社会の形成もあいまって、自分と他人との境界線がますます見えにくくなりつつある社会環境の中で、“一瞬だけのわたし”を明確に見つけるのは、とても困難だ。つまり、昨日のわたしと、今日のわたしをはっきりと区別することは難しく、友人や隣の人とさえ、自他の違いを明確にしづらい社会構造だともいえる。ゆえに、少女から大人へと変わりゆく彼女達のその姿は、とても魅力的で神秘的でさえある。心身から、溢れる生命力をまじまじと感じてしまうのだ。

 

だからこそ、ぜひ、葛藤も内包しながら成熟していく、今しか見られない少女たちの心と身体の描写を見てほしい。その姿は、一瞬が永遠にも感じるほどの魅力に溢れている。

 

「aBUTTON」編集長
笠原 憲

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